2020 年 37 巻 3 号 p. 321-
本研究では,既報で得られた深度10 m 以浅の浅層における深度1 m 毎の地中の有効熱拡散率に及ぼす諸因子の影響について調査した.諸因子として,2015~2018 年の期間における平均降水量および地中温度を取り上げて,各深度における有効熱拡散率と平均降水量および地中温度との依存度および相関係数を回帰分析により求めた.平均降水量は1.9~3.3 mm,地中温度は4.6~23.9℃の範囲にあり,回帰分析の結果,深度5 m 以深の有効熱拡散率に及ぼす諸因子の依存度が比較的高く,平均降水量との相関係数の絶対値の平均値は0.63,地中温度の場合は0.38 であり,有効熱拡散率に及ぼす平均降水量の影響が大きいことを明らかにした.