論文ID: 20-12_OA
気液分離器を用いた二段圧縮インジェクションサイクルでは,インジェクションされる冷媒が常に飽和状態にあり温度が変化しない.このため,分離器内のガス冷媒がどの程度インジェクションされたのか検知することが困難であり,流量の適正化手法の確立が課題とされてきた.そこで本研究では,インジェクション流量を適正化するための制御指標を構築することを目的として,一段目圧縮室からの吐出冷媒を用いて積極的に加熱することで過熱度を作り出し,制御指標とすることを提案し,その有効性を実験により評価した.この結果,過熱度はインジェクション流量により変化し,COP を最大化するための制御指標として有効であることを明らかにした.