論文ID: 23-09_OA
先行研究において吸着材に音波をかけることによって吸着速度が増加することが報告された.速度振幅が吸着促進に効果があることを受け,本研究では,音波ではなく逆流を含む振動流を加えることが吸着促進に及ぼす効果を実験的に観測することを目的とした.そのため,まず2つのブロワを用いて位相差を持った正弦波状の振動流を発生させ,その差分としてテストセクションに逆流を伴う0.05Hz の振動流を発生できることを確認した.次いでそこに吸着材を充填した配管を接続し,一方向流の場合と振動流の場合の実験を行い,一定時間における吸着量を計測した.その結果,音波による実験と同様に,振動流の振幅が大きくなるほど吸着量が増加することを確認した.また,テストセクションを逆流する空気の湿度を下げると吸着促進効果が低下することを見出した.このことは吸着材充填層の後流側の湿分を吸い込むことが吸着増進効果を与えることを示唆している.