特殊教育学研究
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昭和初期名古屋聾学校における教員養成講習会 : その講習内容と資格
前田 朋子
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1996 年 34 巻 2 号 p. 41-47

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抄録

1923(大正12)年に「盲学校及聾唖学校令」が制定され、盲学校と聾唖学校が制度的に一応確立する時期において、聾教育は教育方法も大きく転換した。口話法研究、実践においても名古屋聾学校は大きく寄与しているが、なかでも1926(大正15)年から1941(昭和16)年まで17回にわたって開催された教員養成講習会は、戦前の教員養成機関の1つとして、口話法の普及に重要な位置を占めている。開設当初から口話教員養成を明確にうたい、教員資格を持つ者を対象とし、講習内容は東京聾唖学校師範部をモデルにしつつも、その理論重視とは異なり、教育実習が1週間の授業数の半数を占めるといった実践重視という独自性をもっていた。講習会後半に至ると、期間は6ヵ月に定着し、最終的には修了と同時に大半の受講生に聾学校教員の認定が与えられた。有資格の聾学校教員を約250名養成したということは、聾学校教員養成磯関として充分評価され得ることを示している。

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© 1996 日本特殊教育学会
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