2005 年 43 巻 4 号 p. 321-331
知的障害養護学校高等部に在籍する、音声表出が認められず、強い他傷行動がみられる自閉性障害の一事例に対し、写真・PCS (picture communication symbols)カード(以下、絵カードとする)・VOCA (Voice Output Communication Aids)などのAAC (Augmentative and Alternative Communication)手段を使用し、個別の指導計画に沿って自立活動の指導を行った。その結果、コミュニケーションが拡大し、問題行動は減少した。本研究の結果は、木工製品作り、数や言葉の学習などの授業の流れを大切にしつつ、写真・絵カード・VOCAなどのAAC手段を使用した自立活動の指導は、有効であることを示唆している。