特殊教育学研究
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脳性麻痺児における拗音の書字指導のためのコンピューター支援教材の開発と評価
菅佐原 洋阿部 美穂子山本 淳一
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2006 年 43 巻 5 号 p. 345-353

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抄録

本研究では、知的な遅れと運動面の困難さをもつ脳性麻痺児2名を対象に、従事が困難な反復的な書字指導以外の指導方法として、コンピューター上での絵刺激に対する文字の構成指導課題を開発し、この教材を用いて指導を行うことにより、拗音節を含む単語の書字への転移がみられるかどうかを検討した。参加児の所属する学校教諭によって行われた評価において、1名が評価刺激の4刺激中1刺激に、もう1名では4刺激中2刺激の書字に困難を示していた。そこで、コンピューター上で絵刺激に対する構成指導課題を実施した。その結果、指導に用いたすべての刺激において、書字反応への転移が示された。これらの結果から、コンピューターを利用した構成指導課題が、従来の反復的な書字指導以外のリテラシー指導における指導方法の選択肢となりうる可能性が示唆された。

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© 2006 日本特殊教育学会
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