特殊教育学研究
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実践研究
知的障害生徒における選択行動アセスメントマニュアルの作成と社会的妥当性の検討
裴 虹園山 繁樹
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2012 年 49 巻 5 号 p. 505-516

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抄録

本研究では、選択行動を一連の行動連鎖ととらえた「選択行動アセスメントマニュアル」を作成し、中国の知的障害特別支援学校1校で実際に適用し、その社会的妥当性を検討した。教師22名に本アセスメントマニュアルを、学校の多くの日常場面において、担当する知的障害生徒22名に適用してもらい、適用後に、教師に対して、「記録表の内容」「記録表の記入」「アセスメントの実施」「アセスメントの効果」「アセスメントマニュアルの合理性」の5項目に関する社会的妥当性評価のアンケート調査を実施した。その結果、選択行動アセスメントマニュアルはおおむね妥当であったと評価されたが、記録表の記入が難しかった教師も少数あり、記録の仕方やアセスメントの実施により、時間がかからないような工夫が求められた。今後は、本アセスメントマニュアルを適用した指導事例の検討を行い、その具体的な有用性と使用方法を検討する必要がある。

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© 2012 日本特殊教育学会
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