本研究は、盲児におけるはめこみ構成課題の得点と、大きさや長さの概念などの概念理解、スプーンの使用や衣服の着脱などの手指操作を伴う日常生活動作、歩行などの大規模空間認知との関連について検討することを目的とした。調査は、盲幼児児童27名を対象に行った。その結果、はめこみ構成課題の得点と概念理解の得点、手指操作を伴う日常生活動作の得点、大規模空間認知の得点には関連がみられた。また、異形課題の成否によって対象児を達成群と未達成群に分け比較したところ、達成群より未達成群のほうが概念理解の得点・手指操作を伴う日常生活動作の得点・大規模空間認知の得点が有意に低いことが明らかになった。以上のことから、盲児の実態把握においては、構成課題などの机上における空間認知能力との関連から概念理解・手指操作を伴う日常生活動作・大規模空間認知の実態を捉えることが重要であると考える。
