本研究では、特別支援学校で実施される美術指導の困難さと教員の属性との関連を明らかにすることを目的とし、質問紙調査を実施した。質問紙は、先行研究に基づき25項目で構成した。調査では、分校を除く全国の特別支援学校970校に在籍する各学部の美術の主任教員2,909名に質問紙を送付し、821名の回答の中から不備のなかった683名を分析対象とした。 因子分析の結果、質問項目は、「題材開発」「ティーム・ティーチング」「活動支援」「実態把握」「評価」の5因子で構成されていた。分散分析を行った結果、教員が所属する学部、教員の特別支援学校教員歴、および所有免許状の違いにより、美術指導の困難さを感じる内容が異なることが明らかになった。