2019 年 57 巻 1 号 p. 59-68
本研究では、特別な支援を必要とする少年が在院する支援教育課程の少年院職員に対して、少年の行動を理解して適切な対応を考える研修を実施し、参加した職員へのアンケートから研修の効果を検討した。研修は、応用行動分析を用いて行動の意味を理解し肯定的な関わりをすることに焦点をあてた内容の講義形式で、全3回行った。研修の前後に行動原理に関する知識を測るKBPACを実施した結果、職員の知識向上が示された。また、研修後のアンケートでは、研修内容に対する満足度は高かったが、個々の事例検討や少年院特有の現場における具体的な対応を知りたいというニーズがあり、今後の研修方法や内容を検討する必要性が示唆された。