特殊教育学研究
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実践研究
学習に特異的な困難を示す生徒の認知特性に配慮した見本合わせ法を用いた英単語指導法の検討
上岡 清乃北岡 智子鈴木 恵太
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2020 年 58 巻 1 号 p. 47-56

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抄録

本研究は、英語学習に特異的な困難を示す中高生2名(生徒A、生徒B)を対象とし、認知特性に応じ、かつ英語の言語体系を考慮した英語学習法の指導効果について検討した。両名とも全般的知的機能は平均の下から平均の領域であったが、細部の視覚分析やプランニング能力が認知的な弱さとして考えられた。一方、認知的な強さとしては、ワーキングメモリーや言語概念、言語表現といった能力が考えられた。英語学習は英単語の読みと意味を習得するための英単語指導を行った。指導は刺激等価性を基盤とした見本合わせ法を実施し、音韻的側面を習得するためのフラッシュカード課題や、意味的側面を習得するためのマッチング課題などを行った。結果から、指導開始前のプレテストに比して指導終了後のポストテストにて大幅な成績の向上が認められた。ここから、認知特性に応じ、かつ言語体系の違いに考慮した指導法の指導効果が示唆された。

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© 2020 日本特殊教育学会
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