特殊教育学研究
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実践研究
自閉症スペクトラム障害のある小学生が感情の調整方略を仲間とともに考える小集団指導
岬 和希丹治 敬之
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2021 年 59 巻 2 号 p. 105-119

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抄録

本研究は、情動調整方略を学ぶ小集団プログラムが、感情調整、感情欲求・抑制、私的自己意識得点の向上をもたらすか否かを検証し、情動調整方略の学習における仲間の影響について検討することを目的とした。対象は、情動調整が困難な自閉症スペクトラム障害の小学6年生3名であった。フォローアップと全7回のプログラムを実施し、母親評定による感情調整、感情欲求・抑制、および私的自己意識尺度得点を介入前後で比較した。その結果、すべての参加児において、介入後に上記尺度得点の向上が認められた。また、参加児や保護者の報告、および参加児の行動観察から、認知的再評価をはじめとする情動調整方略の学習、方略の有効性の認知、日常生活での方略使用が確認された。最後に、プログラム中の行動観察より、仲間との関係性の中で自己の情動への意識が高まり、他者からの情動調整方略の取り込みや、新たな情動調整方略の気づきが促されることが考察された。

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© 2021 日本特殊教育学会
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