本研究は、自閉スペクトラム症のある成人男性3名に対して、上司との外食場面を想定した場合のソーシャルスキルに関する学習プログラムを作成し、その効果の検討を行った。研究デザインは事前テスト、学習プログラム、事後テストからなるPre-Postデザインを採用した。学習プログラムは全6回として企画し、講義とシミュレーション訓練を組み合わせた。 シミュレーション訓練では、訓練前に標的行動を確認し、訓練後に対象者が標的行動の遂行をチェックするというセルフマネジメント手続きが行われた。指導の結果、対象者3名ともに、いくつかの標的行動では、指導を行ったトレーナーから上司に相当する人物に対して般化が確認された。これにより、本指導は実践的なパッケージとして有効であることが示された。