特殊教育学研究
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実践研究
知的障害特別支援学級における休み時間を活用した招待交流に関する試行的実践
細谷 一博宮野 希米田 真緒
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2021 年 59 巻 3 号 p. 157-167

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抄録

本研究では小学校知的障害特別支援学級に在籍する4年生1名を対象に、自ら決定した交流活動の内容と方法を積極的に実現し、通常学級児童を特別支援学級に招く「招待交流」を実施した。本研究の目的は、特別支援学級児童の様子から、招待交流実施の可能性と課題について検討することである。その結果、対象とした児童の様子から、招待交流を中断する必要性はみられなかった。また、実施した招待交流の中で対象児童は自らの感情を表現することができるようになり、対象児童にとって質の高い「交流及び共同学習」の一形態になっていることが示唆された。このような成果から、自ら活動内容や方法を決めることができ、さらに、特別支援学級で実施できる招待交流は、有効であると考えられた。また、特別支援学級児童にとって、「交流及び共同学習」の事前・事後指導を行うことで、活動への目標や意欲を喚起できることが明らかとなった。

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© 2021 日本特殊教育学会
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