2022 年 60 巻 1 号 p. 13-21
学齢期の吃音児のグループ指導の現状と課題を明らかにする目的で、言語障害通級指導教室を対象に郵送による質問紙調査を実施した。対象は言語障害通級指導教室を設置している小学校155校であった。調査の結果、グループ指導の実施率は27.2%であることがわかった。 また、よく行われているグループ指導は吃音児数が2~3人の小グループ指導で、それらは吃音児が仲間に会って安心することをねらいとしていることがわかった。グループ指導を実施していない教師にグループ指導を実施しない理由を尋ねたところ、吃音児が集められないことが最大の理由であることがわかった。Liddle et al.(2011)の英国の調査結果と比較しながら、言語障害通級指導教室におけるグループ指導の課題と方向性とを考察した。