2024 年 61 巻 4 号 p. 181-190
視覚と聴覚の両方に障害のある先天性盲ろう児はコミュニケーションに困難を有することが多く、発達段階に沿った意図的かつ特別な指導を必要としている。そこで本研究では、特別支援学校で盲ろうの児童生徒を担当した経験を有する教員6名を対象とし、3つの発達段階に応じた指導や、指導上の工夫を明らかにすることを目的とした。調査の結果、盲ろう児のコミュニケーションの性質は他者とのつながりを形成することに始まり、徐々に一般性が高まっていくことが明らかになった。また、盲ろう児の指導を担当する教員は、ニーズに即してさまざまな指導を行っていることがわかった。一方で、盲ろう児一人一人の多様性が大きいこと、また盲ろうが稀少障害であることから、一般化が困難な面については具体的に事例的研究を行うなどし、その個別性についても明らかにする必要がある。