抄録
ダウン症の診断を有する27名の学齢児に「絵の呼称課題」と「自由会話」を行い、構音速度と非流暢性の特徴について分析し、流暢性障害の有無を検討した。その結果、吃音に48.1%、クラタリング(吃音との併存も含めて)に25.9%が該当していた。吃音についてはオランダの調査結果とも類似していたが、クラタリングについては一致しておらず、検討の余地がある。本研究におけるダウン症児の構音速度について、顕著な速さが確認されなかったが、「自由会話」における吃音中核症状の平均が12.2%で、日本の一般的な児童のデータ(1.6%)より顕著に高い生起頻度を示していた。さらに、発達性吃音に通常みられない特異的な種類の非流暢性が確認された。今回の研究からは、ダウン症児の中に一定数の吃音とクラタリングを示す児童が存在することが明らかにされた。