抄録
本研究は、障害者施設に通う問題行動を示す利用者と当該施設の職員を対象とした介入支援を行った。問題行動の背景には、利用者が自身の気持ちをうまく表現することが苦手でフラストレーションを感じやすいこと、利用者が気持ちを高ぶらせることがないようにとの職員の淡々とした対応がかえって利用者の気持ちを高ぶらせてしまっていたことが想定された。そこで、利用者が自身の気持ちを言語化していくためのオンラインセッションと利用者に対する職員の意識や対応を変えていくためのケースカンファレンスを実施した。結果より、利用者が自身の気持ちを話せる場面が増えてくるなかで、職員の意識も問題行動から利用者の気持ちや思いへと変わっていった。そのような経過を辿る中で、問題行動は徐々に減っていった。これらの成果から、問題行動に対して利用者と職員の双方に着目したアプローチの効果について論じた。