2017 年 94 巻 p. 137-142
[目的]最近,衣服制作を好まない学生が多い。特にほどきや縫い直しなど手間のかかる作業をさける傾向にあり,仕上がりが雑になる。着用できない作品となるためますます苦手意識を高めてしまう。そこで今回学外へと視野を広げ学生に服作りの楽しさと喜びを実感してもらい衣服制作を好きになってもらおうと新たな取り組みを試みた。 [方法]保育園園児に着用してみたい夢の服を描いてもらい,それを学生が形にする。制作にあたっては度々保育園を訪れ,園児の試着のもと仕上げていく。また使用する布はブライダルドレスメイク授業の残布である。完成までの約1年は園児の成長を実感しながら制作し最終は園児へ贈ることとした。 [結果]初めは恥ずかしがっていた園児も採寸,仮縫い,試着と会う回数が増えるごとに学生と親しくなり楽しみにしてくれるようになった。学生も園児の期待に応えようと意欲的に取り組むようになった。学生の衣服制作は以前とくらべ丁寧な作業,綺麗な仕上がりである。また,長い期間に渡って仕上げた園児のドレスの完成は学生にとっても大きな喜びと自信になったことは間違いない。