徳島文理大学研究紀要
Online ISSN : 2432-4248
Print ISSN : 0286-9829
研究報告
箱庭に表現された「犬」・「猫」イメージについて
―大学生と教員の箱庭の分析―
生島 博之
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2017 年 94 巻 p. 15-28

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抄録

本論文は大学生298名と教員113名に箱庭を制作してもらいその作品の中に「犬」や「猫」が置かれたもの を取り上げそこに表現された「犬」イメージと「猫」イメージについて考察したものである。全体の21.7%が「犬」 や「猫」を置いたがその中で「犬」や「猫」が主人公(副主人公も含む)であった21の箱庭作品(大学生19教員2)を分析したところ「犬」イメージとしては①番犬②忠犬③癒しを与える犬(ペット)④冒険する犬⑤恋する犬等がみられ「猫」イメージとしては①女神に使える猫②留守番する猫③猫になった少女④癒しを与える猫(ペット)⑤捨て猫⑥恋する猫⑦陣地を守る猫等がみられた。このように二つの動物の間には似た意味もあれば異なるあるいは独自の意味がある。また「犬」と「猫」が同時に置かれた箱庭作品においては「ペットと幸せに暮らす」というものと逆に「飼い主に見放されたペット」というテーマが見られた。これらの結果を踏まえ「犬」イメージと「猫」イメージの差異についても考察した。

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© 2017 著者
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