2018 年 95 巻 p. 45-50
人は必ず死を迎えるが,人生の最期をどのように迎えるのかは,一人ひとりの価値観等によって異なる。本研究の目的は,癌患者に対する生活支援における医療ソーシャルワーカーが果たす役割について考え,今後のよりよい支援へ繋げていくことである。特に患者の尊厳ある生と死に関する部分に着目した。また,医療ソーシャルワーカーにとって,患者の真のニーズを把握し,他職種連携をスムーズに行い,可能な限り予測されるリスクを軽減しながら,患者の自己実現を目指すことは重要な役割の一つとなる。だからこそ,国家資格である社会福祉士の資格を有する医療ソーシャルワーカーとして「社会福祉士の倫理綱領」及び「社会福祉士の行動規範」等を基に,自らの援助・支援の在り方等を問い直し続けること,そして自己研鑽を積むことが,対人援助に携わる専門職者の職責であることを忘れてはならないであろう。