2018 年 96 巻 p. 65-70
人は何らかの疾病や障がいを持つことになっても,可能な限り自分らしく生活し,最期の時まで生きたいと望むものである。本研究の目的は,妻への依存度が高い血液透析患者の退院支援における医療ソーシャルワーカーが果たすべき役割について考え,今後のよりよい支援へ繋げていくことである。 医療ソーシャルワーカーが退院支援を行う過程で,患者の真のニーズ把握を誤ると,例えば,他の専門職が各自の本来の役割を果たすことが難しくなる等,患者や家族にとって本当に必要な支援が行えなくなり,他職種連携もスムーズにいかない状態に陥る。それは結果的に患者や家族に害を及ぼすことになりかねない。だからこそ,医療ソーシャルワーカーの果たすべき役割の一つとして,患者の真のニーズを把握し,患者や家族に対し必要な支援を他の専門職とスムーズに連携しながら行うことが重要である。