糖尿病
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原著
HPLC2機種間におけるHbA1c測定値の差異
田中 康富佐倉 宏土屋 真美野澤 由美子岩本 安彦
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2005 年 48 巻 4 号 p. 249-255

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抄録

外来受診中の1,038名の糖尿病患者を対象に, HbA1cの測定において#C分画 (修飾ヘモグロビン) が分離できない従来のHi-AUTO HA-8150 (ARKRAY社) とHbA1c分画がほぼ完全に単離できるようになったADAMS-A1c HA-8160 (ARKRAY社) の間で, HbA1c値にどのような差異が認められるか検討した. 1,038名中697名 (67.1%) では, HbA1c値の差 (乖離0.3%以内) は認められなかった. 2回連続して, HbA1c値がHA-8150測定値>HA-8160測定値 (乖離0.3%以上) であった者は128名で, 最大2.5%の差があった. 逆に, HA-8150測定値<HA-8160測定値 (乖離0.3%以上) であった者は22名で, 最大1.4%の差があった. HbA1c値がHA-8150>HA-8160では, 腎不全, 腎機能障害者が多く認められ, これは腎不全や透析患者に#C分画 (修飾ヘモグロビン) が多くなるという従来の成績を支持するものであった. HA-8150<HA-8160についてはHbF高値の患者に多く認められたが, 原因不明も多かった.

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© 2005 一般社団法人 日本糖尿病学会
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