糖尿病
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原著
日本人1型糖尿病患者におけるNPHヒトインスリンからインスリングラルギンへの変更が血糖コントロールに及ぼす影響
税所 芳史丸山 太郎今井 孝俊島田 朗鈴木 裕也
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2005 年 48 巻 9 号 p. 685-691

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抄録
超速効型インスリンとNPHヒトインスリンで強化インスリン療法中の血糖コントロールが不十分な46名の1型糖尿病患者を対象とし, NPHヒトインスリンからインスリングラルギンへ変更後6カ月間の血糖コントロールについて検討した. 平均HbA1cは変更2カ月後より有意な低下を認め, 6カ月後には全体で1.1%の低下を示した (8.6±1.1%→7.5±0.9%, p<0.0001). 変更6カ月後の平均1日総インスリン使用量は有意な増加を認めたが体重増加は認めず, 問診による低血糖の頻度は減少した. 変更後HbA1c 1%以上の改善を認めた改善群とそれ以外の非改善群との比較では, 改善群で変更前HbA1cの高値を認め, 全例での検討では変更前HbA1c値と変更後のHbA1c改善度に有意な正相関を認めた (r=0.679, p<0.0001). 以上より, 日本人1型糖尿病患者においても, 特に血糖コントロールの不十分な患者においてインスリングラルギンの使用は有用と思われた.
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© 2005 一般社団法人 日本糖尿病学会
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