糖尿病
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劇症1型糖尿病とHLA-DRB1 genotype
草鹿 育代長坂 昌一郎中村 友厚谷田貝 利光石橋 俊
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2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. A29-A32

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抄録

劇症1型糖尿病の臨床像を明らかにするため, 1990年から2003年までの間に, 急性発症しインスリン依存状態を示した112例を検討した. 発症時のHbA1cが8.5%未満で, 症状出現後2週間以内にケトーシス, インスリン依存状態を示したものをA群 (20例), その他をB群 (73例), HbA1c不明のものをNA群 (19例) とした. A群女性7例のうち3例が妊娠中ないし分娩後の発症. A群, B群+NA群で自己抗体陽性の者, 自己抗体陽性のSPIDDMでHLA genotypeを比較すると, DRB1*0405ホモはA群で25% (5/20), B群+NA群で7% (4/61), SPIDDMで6% (4/68) であり, A群で有意に高率 (P<0.05). 当院での劇症1型糖尿病に相当する発症様式を示した症例の頻度は, 急性発症1型糖尿病の約20%を占め, 女性では妊娠関連の発症を多く認めた. HLA DRB1*0405ホモが疾患感受性に関与すると考えられた.

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© 2005 一般社団法人 日本糖尿病学会
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