糖尿病
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症例報告
腓骨神経麻痺が長期化し筋萎縮をきたした2型糖尿病の1例
金井 明子手納 信一大屋 純子石井 晶子菅野 宙子中神 朋子竹内 恵岩本 安彦
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2006 年 49 巻 5 号 p. 337-341

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抄録

腓骨神経麻痺は,比較的短期の経過で自然軽快する糖尿病性単神経障害として知られている.今回われわれは,同麻痺が持続し筋萎縮をきたした症例を経験した.症例は55歳,男性.1994年に糖尿病と診断されたが放置し,1998年から経口血糖降下薬を開始されたがHbA1C 9%台と血糖コントロールは不良であった.2003年1月,右大腿部のしびれと鈍痛に続き右下腿のしびれと歩行時のつまずきが出現したため,2004年5月当科を初診し,同年6月精査目的で入院した.入院時HbA1C 5.4%であった.深部腱反射低下,四肢末梢のしびれに加え,腓骨神経領域のTinnel徴候陽性,筋力低下,神経伝導速度の著明な低下,前脛骨筋萎縮を認めた.退院後もHbA1Cは5~6%であったが,腓骨神経麻痺はわずかな改善にとどまった.過去の大量飲酒による神経障害や糖尿病性筋萎縮症の合併も疑われ,それらにより腓骨神経麻痺が遷延した可能性が推察された.

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© 2006 一般社団法人 日本糖尿病学会
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