糖尿病
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委員会報告
食後高血糖と食後高脂血症を同時に観察するテストミールのパイロットモデルの開発
—テストミールAについての報告—
芳野 原富永 真琴平野 勉柴 輝男柏木 厚典田中 明多田 紀夫小沼 富男江草 玄士桑島 正道三家 登喜夫及川 眞一本田 佳子立川 倶子
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2006 年 49 巻 5 号 p. 361-371

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抄録

食後高血糖のみならず,食後高脂血症も動脈硬化進展に寄与することが報告されている.すでに海外国内ともに,Impaired Glucose Tolerance (IGT),あるいは糖負荷後の血糖上昇が冠動脈疾患のリスクであることが報告されている.一方,食後高脂血症,特に食後に増加するレムナント粒子は動脈硬化惹起性であるとされている.そこで,食後高血糖と食後高脂血症を同時に評価できるような国際標準となるテストミールの開発が必要となった.このような考えのもとに,日本糖尿病学会において糖尿病関連検査の標準化に関する委員会が立ち上げられ,同委員会から召集されたテストミール開発ワーキンググループは,どのような医療施設においてもテスト可能な食事負荷試験のテストミールのパイロットモデルを開発した.本テストミールの総エネルギ量は450kcalとし,エネルギー比率は炭水化物51.4%,脂質33.3%,蛋白質15.3%とした.被験者としてテストミール負荷試験の1週間後に糖負荷試験を実施できたのは糖尿病症例18例,IGT例12例,正常耐糖能(NGT)者29例で合計59例である.テストミール負荷試験後と糖負荷試験後いずれの血糖値も各対応する採血時点で両群間に正相関を認め,糖負荷後2時間値が200 mg/dlの場合,テストミール負荷後の同値はほぼ150 mg/dlに相当し,糖負荷後2時間値が140 mg/dlの場合,テストミール負荷後はほぼ110 mg/dlに相当した.一方,空腹時の血中トリグリセリド値で,高トリグリセリド血症群(16例)と正常トリグリセリド血症群(51例)に分類し,それぞれの血中トリグリセリド変動曲線を観察すると,空腹時正常トリグリセリド血症群でのみ食後に血中トリグリセリド値が軽微ではあるが有意に上昇した.以上,本テストミールは食後の血糖値,血清トリグリセリド値上昇を検討する食事負荷試験のパイロットモデルとなるものと思われた.

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© 2006 一般社団法人 日本糖尿病学会
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