糖尿病
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コメディカルコーナー・原著
超速効型インスリン自己注射の使用実態調査
—遵守度およびQOL改善度の評価—
畑中 由香子飯盛 惠美子池田 和人小谷 宏行
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2006 年 49 巻 9 号 p. 749-754

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抄録

生理的なインスリン分泌に近い薬物動態を示す,超速効型インスリンが広く使用されるようになった.本剤の特徴は,食直前施注が可能なことである.当院においても多くの患者が食事前30分施注の速効型インスリン・中間型混合インスリンから,超速効型インスリン・二相性インスリンアナログに変更された.それらの患者を対象にインスリン変更前後を比較したアンケート調査を実施した.インスリン注入器の操作性,施注実態の把握,そしてquality of life (QOL)の改善度の11項目を無職者群と有職者群に区分し集計を行った.食直前投与の製剤への切り替えにより,無職者群では施注遵守,QOLの項目で改善傾向がみられた.有職者群では全ての項目で有意な改善がみられた.以上の結果より,食直前投与の製剤は施注遵守とQOLの改善の面からの有用であることが示された.患者一人ひとりに応じた製剤の選択と療養指導の必要性が感じられる.

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© 2006 一般社団法人 日本糖尿病学会
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