糖尿病
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症例報告
強皮症を合併した高齢発症1型糖尿病
村上 和春
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2007 年 50 巻 10 号 p. 747-750

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抄録

高齢発症の1型糖尿病に,強皮症を合併した1症例を報告する.症例は69歳,女性,1996年1型糖尿病発症,皮膚の硬化,手指尖端の陥凹性瘢痕,レイノー症状を認め,血清学的にも強皮症と考えられ,1年後,膝関節炎をきたし,関節液の貯留を認めた.RA (2+), RAHA 1,280倍,抗核抗体陽性,RNP抗体陽性,セントロメア抗体陽性であった.1型糖尿病の膵島関連自己抗体は,ICA, 抗インスリン抗体は陰性であったが,抗GAD抗体は陽性であった.サイログロブリン抗体,抗TPO抗体も陽性であり,自己免疫性甲状腺疾患の合併も認めた.臓器特異的自己免疫疾患である1型糖尿病と,全身的自己免疫疾患である強皮症の合併は稀であり,貴重な症例と考えられた.

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© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
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