糖尿病
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コメディカルコーナー・原著
2型糖尿病患者の睡眠・排尿・末梢神経障害に関する実態調査
—アンケート調査により浮かび上がった特徴—
赤尾 綾子郡山 暢之安楽 千鶴三反 陽子尾辻 真由美前田 円佳森 加弥渡辺 あつ子河本 美津紀深川 俊子
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2008 年 51 巻 11 号 p. 1025-1030

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抄録

外来通院中の2型糖尿病患者257名に対し,睡眠障害(SD), 排尿障害(MD)および末梢神経障害(PN)を示唆する症状の有無についてのアンケート調査を実施した.SD, MDおよびPN症状を有する患者は,各々53%, 27%および44%であった.SDとMDは,年齢と正の関係を有し,特に高齢者において注意を要するものと考えられた.65歳以上のSD, MD, PN群と65歳未満のMD群でHbA1cが有意に高値を示し,65歳未満のSD, PN群でもHbA1cは高い傾向を示した.さらに,SD, MDおよびPNは,相互に関連することが推察された.SDでは中途覚醒の頻度が高く,65歳以上の女性では,SDのパターンがバリエーションに富んでいた.これらの障害を抽出するための問診やアンケートは,早期のアセスメントと対処を可能にし,患者QOLの改善,ひいては血糖コントロールの改善にも影響する可能性が示唆された.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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