糖尿病教育入院クリティカルパスの入院期間を2週間(2W群)から1週間(1W群)に短縮し,血糖改善効果および合併症の状態に関して36カ月にわたり比較検討した.対象は2W群56名,1W群53名の2型糖尿病患者.まず,短期血糖改善効果を平均血糖値の推移で検討した結果,両群ともに入院時に比し退院時には有意に低下していたが,改善度は2W群において有意に大きかった.一方,長期血糖改善効果をHbA1c値の推移で検討した結果,2W群においては入院時8.9±2.4%から36カ月目7.4±1.5%へ,1W群においては10.2±2.3%から7.4±1.3%へと,いずれも有意に低下しており,退院後3カ月目以降は両群間に有意差を認めなかった.さらに,糖尿病網膜症,腎症の新規発症・病期増悪に関しても,両群間で有意差を認めなかった.以上,長期間の糖尿病コントロールに関しては,1週間入院パスは2週間パスと同等に有用であると考えられた.