糖尿病
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委員会報告
劇症1型糖尿病調査研究委員会報告(追補)
—発症時のウイルス抗体価について
花房 俊昭今川 彰久岩橋 博見内潟 安子金塚 東川崎 英二小林 哲郎島田 朗清水 一紀丸山 太郎牧野 英一
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2008 年 51 巻 6 号 p. 531-536

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抄録

【背景・目的】劇症1型糖尿病発症にはウイルス感染の関与が示唆される.そこで,発症時のウイルス抗体価について明らかにする目的で以下の研究を行った.
【方法】日本全国の施設から委員会に登録された,劇症1型糖尿病診断基準を満たす患者55名を対象とし,パラインフルエンザウイルス1-3型,ロタウイルス,コクサッキーウイルスA2-A7, A9-10, A16, B1-B6型,サイトメガロウイルス,EBウイルス,ヒトヘルペスウイルス6型,同7型のウイルス抗体価を測定した.
【結果】ペア血清が得られた38名中7名(11項目)で有意な抗体価の上昇を認めた.すなわち,コクサッキーウイルスA4と同A5, 同A6, 同B1の抗体価上昇を各々1名,ロタウイルスの抗体価上昇を2名で認めた.また,サイトメガロウイルスIg-M, EBウイルスIg-Mとヒトヘルペスウイルス6型Ig-Mはそれぞれ1名で陽性であった.さらに,ヒトヘルペスウイルス6型Ig-Gと同7型Ig-Gの有意な抗体価の上昇を各1名で認めた.このうち3名においては複数のウイルス抗体価の上昇を認めた.また,ペア血清が得られなかった17名中2名でサイトメガロウイルスIg-Mが陽性であった.
【結論】劇症1型糖尿病発症時に,一部の患者において複数のウイルス抗体価の上昇が認められた.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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