糖尿病
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症例報告
下垂体腺腫摘出後に非アルコール性脂肪肝炎を発症し,肝硬変に至った糖尿病の1症例
安芸 菜奈子松下 玲子三浦 順之助柳沢 慶香佐倉 宏八辻 賢橋本 悦子白鳥 敬子岩本 安彦
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2008 年 51 巻 8 号 p. 771-776

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抄録

症例は55歳女性.19歳時,下垂体腺腫摘出術を施行.術後,ホルモン補充療法が行われたが,数年後に治療中断.48歳時,糖尿病を指摘されたが放置.55歳時,再度HbA1c 10.8%とコントロール不良の糖尿病を指摘され当科入院.入院時,高脂血症,肝機能障害の合併および,内分泌検査で成長ホルモン分泌不全,中枢性性腺機能低下症,甲状腺機能低下症を認めた.画像診断では,肝の変形,脾腫,脾腎シャントを認めた.肝機能障害の原因は,ウイルス,自己免疫,アルコール性は否定的であり,肝生検を施行し非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis: NASH), 肝硬変と診断した.血糖コントロールは超速効型インスリンの投与で改善した.本症例は下垂体腺腫摘出術後GH分泌不全状態にあったが,長期間にわたりホルモン補充療法が行われなかったため,NASHを発症し,肝硬変まで進展したと推測された.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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