糖尿病
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症例報告
低血糖昏睡と急性膵炎で発症した劇症1型糖尿病の1例
銭丸 康夫鈴木 仁弥木村 朋子今川 美智子藤井 美紀牧野 耕和若原 成行稲葉 聡高橋 貞夫此下 忠志宮森 勇
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2009 年 52 巻 4 号 p. 279-283

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抄録

症例は68歳,女性.水疱性類天疱瘡のためステロイド剤内服中であった.2004年7月18日頃より食欲不振となり,同20日意識障害を認めたため救急車にて当院搬入となった.来院時の血糖値は23 mg/dlであったがIRIは14 μU/mlと高値で,ブドウ糖液の静注により意識は回復した.血清アミラーゼ値は1,278 IU/lと高値で,腹部CTにて膵頭部の腫脹を認めたため急性膵炎と診断され,入院となった.絶食,補液,蛋白分解酵素阻害剤などにて速やかに膵炎は改善したが,第3病日に随時血糖値が486 mg/dlと上昇し,尿中CPR 7.1 μg/日とインスリン分泌不全に陥った.HbA1c 7.4%, 抗GAD抗体陰性などから劇症1型糖尿病と診断した.その後強化インスリン療法により血糖コントロールを行い,第101病日に退院となった.超急性期に高インスリン血症と低血糖昏睡,膵腫大を伴う膵炎を呈した劇症1型糖尿病で,病因,病態を考察する上で貴重な症例と思われる.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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