糖尿病
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症例報告
CoQ10大量療法により難聴の改善を認めたミトコンドリア糖尿病(3243変異)の1症例
岡澤 光代岩田 実瀧川 章子小橋 親晃宇野 立人石木 学薄井 勲山崎 勝也浦風 雅春戸辺 一之
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2009 年 52 巻 6 号 p. 463-467

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抄録
症例は64歳,女性.1989(平成元)年(45歳時)に糖尿病を指摘され,1991(平成3)年(47歳時)には感音性難聴を発症した.2006(平成18)年(62歳時),血糖コントロールを目的にて当科に紹介され入院した.肥満歴はなく低身長で痩せ型(BMI 18.8 kg/m2), インスリン分泌能の低下,難聴などの臨床像からミトコンドリア糖尿病を疑い遺伝子解析を行った.ミトコンドリア遺伝子異常(3243 A→G点変異)を認め,ミトコンドリア糖尿病と診断した.食事療法,インスリン療法とともにcoenzyme Q10 (CoQ10)大量療法を開始した.2008(平成20)年(64歳時)に施行した聴力検査において感音性難聴の改善を認め,またインスリン分泌能も保持されていた.ミトコンドリア糖尿病に対するCoQ10大量療法は,試みられるべき有用な治療法の1つと考えられた.
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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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