糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
原著
日本人1型糖尿病患者121名におけるインスリン持続皮下注入療法(CSII)の有用性の検討
広瀬 正和川村 智行橋本 友美東出 崇木村 佳代稲田 浩青野 繁雄新平 鎮博山野 恒一
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 9 号 p. 767-775

詳細
抄録

日本人1型糖尿病患者におけるインスリン持続皮下注入療法(CSII)の有用性を後方視的に検討した.2008年3月末までにCSIIを導入した121名で,年齢,外来・入院での導入の割合,脱落者について検討した.導入時年齢は13.9±5.8歳(0∼34歳)で,78.5%は外来で導入した.導入後1年以内の脱落は21例(17.4%)であった.CSII導入後1年以上経過した76名を対象とし,導入前,6カ月,12カ月後のHbA1c, BMI, 重症低血糖の頻度を検討した.HbA1cは8.7±2.0%(前),7.8±1.6%(6カ月後),7.9±1.5%(12カ月後)と有意に改善した.BMIは20.6±3.7 kg/m2(前),21.0±3.5 kg/m2(6カ月後),21.5±3.6 kg/m2(12カ月)と増加したが標準以下であった.重症低血糖は導入前後1年で26.7回から2.7回/100人・年と有意に減少した.日本人1型糖尿病患者においてCSIIは有用であり,さらなる普及が望まれる.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top