糖尿病
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委員会報告
HbA1c国際標準化に関するわが国の対応
—糖尿病関連検査の標準化に関する委員会報告—
糖尿病関連検査の標準化に関する委員会柏木 厚典門脇 孝羽田 勝計名和田 新伊藤 博史富永 真琴及川 眞一野田 光彦河村 孝彦三家 登喜夫難波 光義柱本 満笹原 誉之西尾 善彦武井 泉梅本 雅夫桑 克彦村上 正巳小栗 孝志
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2009 年 52 巻 9 号 p. 811-818

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抄録

2007年6月,米国糖尿病学会,ヨーロッパ糖尿病学会,国際臨床化学連合,国際糖尿病連合から,HbA1cの国際標準化に関する合同のコンセンサス・ステートメント5項目が発表された.その要旨は,HbA1cの測定体系や測定値の報告は国際的に標準化されるべきで,その基準測定法としてはIFCC (International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)法を用い,HbA1c測定値の報告はIFCC値(単位:mmol/mol),およびIFCC-NGSP換算式によって得られる現在のNGSP値(National Glycohemoglobin StandardizationProgram, 単位:%)を併記することとする.また,HbA1c値の解釈として,今後の研究の進展によってHbA1c値と米国糖尿病学会が提唱している24時間平均血糖値の間に有意な相関が得られれば,“HbA1c換算平均血糖値”として併記するという点にまとめられる.これら合同コンセンサス・ステートメントの発表を受け,日本糖尿病学会は2007年8月より1年間をかけ「糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」にてこの問題を検討した.その結果,HbA1cの国際標準化に対応して,わが国におけるHbA1c測定の標準化を進める決定をした.しかし,日常診療での表記法の違いによる混乱を避けるため,HbA1c値の報告には,一定期間,わが国における現在のHbA1c値表記法であるJDS値(%)を使用し,同時にIFCC値(mmol/mol)を併記することとした.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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