糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
Yersinia pseudotuberculosis感染により多発性肝膿瘍が発症した2型糖尿病の1例
工藤 忠睦明比 祐子蘆田 健二竹之下 博正永石 綾子目連 順子橋本 陽子永迫 久裕寺脇 悠一柳瀬 敏彦
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 54 巻 3 号 p. 183-186

詳細
抄録

症例は59歳の男性.8年前に糖尿病を指摘され治療をしていたが自己中断していた.6ヶ月前より咳嗽が出現し始め,体重減少,全身倦怠感,発熱も認めた.症状が軽快しなかったため当院を受診した.HbA1c 10.5%(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467, 2010)),空腹時血糖252 mg/dlと血糖コントロール不良のため入院となった.胆道系酵素の上昇を認め,腹部造影CTを施行したところ,肝臓S7, S8領域に分葉状の膿瘍形成を認めた.経皮経肝肝膿瘍ドレナージを施行したところ排液からY. Pseudotuberculosisが同定された.同菌の成人発症例は少なく,さらに多発性肝膿瘍の合併報告例は文献的にも過去2例の報告を見るのみであり,貴重な症例を経験した.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top