2011 年 54 巻 8 号 p. 686-690
GH受容体拮抗薬ペグビソマント(PEG)の投与前後で経口ブドウ糖負荷試験を施行した先端巨大症の3症例を経験した.症例1:36歳男性,糖尿病の既往なし.PEG投与後AUC-glucoseは変化なく,AUC-IRIの低下,HOMA-IRの低下を認めた.症例2:71歳男性,糖尿病を指摘されているが食事療法でコントロール良好であった.PEGの投与後AUC-IRIの低下,HOMA-IRの低下を認めた.症例3:59歳女性,糖尿病に対してスルホニル尿素薬,ビグアナイド薬を投与中で血糖コントロールは不良であった.PEGの投与でHOMA-IRの低下,Insulinogenic Indexの上昇を認め血糖値は改善した.いずれの症例もPEGの投与後にインスリン抵抗性の改善を認めた.