糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物治療)
臨床使用における懸濁インスリン製剤の懸濁性に関する検討―保管環境と混和法の及ぼす影響―
川崎 恵美朝倉 俊成柄沢 仁美影向 範昭
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2012 年 55 巻 10 号 p. 753-760

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抄録

臨床での懸濁インスリン製剤の保管環境と混和状態を評価した.その結果,20~24 ℃,水平・上下に往復させる方法(R-T1)が最も混ざりやすく,理論値に近かった.製剤別では,二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁注射液のノボラピッド50ミックス注フレックスペン(50MIX),ノボラピッド70ミックス注フレックスペン(70MIX)が極めて混ざりにくく,結晶濃度のばらつきも大きかった.このことから,懸濁製剤を完全に懸濁するためには,使用中は低温保管を避け,冷たくなった場合は手のひらで20~24 ℃に温めて混和する,混和はR-T1を用い,1セットごとに結晶の塊の有無を確認しながら2セット以上行い,結晶の塊がなくなるまで混和することが必要であると考える.

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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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