糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物治療)
小学校給食の副食に含まれる糖質量の検討
山口 美輪黒田 暁生小谷 裕美子松村 晃子勝浦 桜子上村 浩一横田 一郎香美 祥二有澤 孝吉松久 宗英
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2012 年 55 巻 12 号 p. 952-956

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抄録

「食品交換表に基づく新たなカーボカウント法」(黒田ら,糖尿病2010)に基づいて糖尿病食1食に含まれる糖質量を算出する場合,1食を主食と副食にわけ,副食は一律20 gと概算する.しかし,小児期は必要エネルギー量や栄養素バランスが食品交換表とは異なる.よって本研究では,小児期の副食糖質量を検討することを目的とした.学校給食摂取基準に基づく学校給食42食分を小学校の学年別に検討した.その結果,1食のエネルギーは670±44~752±50(平均値±標準偏差)kcalと学年が上がるに従い増加したが,副食糖質量は29.7±7.5~31.2±8.1 gであり,エネルギー量にかかわらず副食糖質量を約30 gに概算できた.学校給食では糖質約10 gの牛乳が毎食提供されるため糖尿病食や病院普通食に比較して副食糖質量が10 g増加すると考えられた.以上より,小学校給食では副食糖質量を30 gとしてカーボカウントを指導できることが明らかとなった.

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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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