糖尿病
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症例報告
リラグルチドが関与して生じた麻痺性イレウスの2例
北村 哲宏大月 道夫久保 典代倉敷 有紀子玉田 大介田淵 優希子小澤 純二安田 哲行沖田 考平今川 彰久金藤 秀明船橋 徹下村 伊一郎
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2012 年 55 巻 12 号 p. 982-986

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抄録

Glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬であるリラグルチドの副作用として食欲不振,嘔気が報告されている.今回我々は,リラグルチドが関与した麻痺性イレウスの症例を2例経験した.ともに腹部手術歴はなく,リラグルチド導入時に前兆なく嘔吐にて突然発症した.症例2はインフルエンザを併発していた.2例ともにリラグルチド中止にてイレウスの改善を認めた.背景として,便秘の既往,15年以上の罹病期間,糖尿病末梢神経障害および自律神経障害を有している点が共通していた.これまでリラグルチドによるイレウスの報告はなく,今後GLP-1受容体作動薬を使用する際には副作用としてイレウスを念頭に置く必要があり報告する.

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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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