糖尿病
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症例報告
インスリン抗体陽性2型糖尿病にGLP-1受容体作動薬が有効で,持続血糖モニターで評価した1例
佐藤 愛大濵 俊彦田中 聡石塚 恒夫勝盛 弘三
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2012 年 55 巻 6 号 p. 398-403

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抄録

症例は74歳の男性.51歳時に糖尿病と診断され,経口血糖降下薬を開始.71歳時にHbA1c(JDS値)8.3 %と増悪した為,インスリン療法(ヒューマログミックス50®)を開始し,HbA1c 6 %台まで改善した.しかし,1年後より血糖値が不安定となり朝方の低血糖,日中の高血糖を認めた.血中IRI 2430 μU/ml,インスリン抗体結合率78.4 %と高値であった.またScatchard解析では,この抗体は低親和性,高結合能であった.インスリンの種類を変更したが,血糖値は不安定なままであり,経過中に脳梗塞を発症した.インスリン抗体による低血糖を防止するために,インスリンを中止しGLP-1受容体作動薬に変更したところ,血糖コントロールが改善し,持続血糖モニターによって日内変動を視覚的・数量的に評価する事が出来た.

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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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