糖尿病
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症例報告
清涼飲料水ケトーシス治療17ヶ月後に顕在化した1型糖尿病の1例
山下 馨小林 結香吉田 瑛子吉藤 歩一城 貴政廣井 直樹大内 博美比嘉 眞理子
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2012 年 55 巻 8 号 p. 621-626

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抄録

症例は41歳男性.2008年1月,清涼飲料水ケトーシスのため入院.PG 1550 mg/dl, HbA1c 11.8 %, Glutamic acid decarboxylase antibody(以下GAD抗体)陰性,尿中Cペプチド(以下CPR)115.2 μg/dayと内因性インスリン分泌能が保たれていたため2型糖尿病と診断した.2相性インスリンアスパルト30とメトホルミン内服で退院となった.その後徐々にインスリン必要量が減少し,経口血糖降下薬のみで良好な血糖コントロールが得られていた.しかし2009年6月,急速な血糖コントロールの悪化を認め第2回目の入院となった.GAD抗体及び他の膵島関連自己抗体は陽性であり,尿中CPRも33.1 μg/dayと低下しており1型糖尿病と診断した.HLA検査では,A24とDR9を認めた.清涼飲料水ケトーシス発症から17ヶ月後に1型糖尿病が顕在化した稀な症例と考えられ,文献的考察を加え報告する.

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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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