糖尿病
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症例報告
新たなインスリンポンプParadigm 722によりカーボカウントのみで血糖管理が可能となった1型糖尿病の1例
吉田 守美子黒田 暁生新居 沙央里松本 友里近藤 絵里安藝 菜奈子遠藤 逸朗粟飯原 賢一鈴木 麗子松本 俊夫松久 宗英
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2013 年 56 巻 4 号 p. 240-245

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抄録

インスリンポンプParadigm 712は,インスリン作用時間(AIT)が8時間の設定のため,十分な食後血糖補正インスリン投与を提案しないが,新しいParadigm 722はAITを2~8時間に設定できる.そこで,Paradigm 722の食後血糖補正インスリン量の妥当性を検証した.症例は1型糖尿病の50歳代女性.入院の上インスリンリスプロでParadigm 722を導入,食事スキップで基礎インスリンを設定し,糖質/インスリン比を各食前(11, 15, 13)g/Uとしたカーボカウントのもと,AITを3時間,インスリン効果値を60 mg/dl/Uと設定した.退院前1週間の食後2時間血糖補正の際,150 mg/dlを目標にインスリン効果値を用いた補正による自己算出インスリン量とポンプでの自動算出インスリン量とを比較した.食後高血糖に対する補正インスリンは,14回中7回で自己算出量よりも自動算出量が適切であった.Paradigm 722による食後補正インスリン自動算出法は,自己算出法と同等で,これを用いることで良好な血糖管理が簡便になった.

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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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