糖尿病
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委員会報告
緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の診断基準(2012)―1型糖尿病調査研究委員会(緩徐進行1型糖尿病分科会)報告―
田中 昌一郎大森 正幸粟田 卓也島田 朗村尾 敏丸山 太郎鴨井 久司川崎 英二中西 幸二永田 正男藤井 寿美枝池上 博司今川 彰久内潟 安子大久保 実大澤 春彦梶尾 裕川口 章夫川畑 由美子佐藤 譲清水 一紀高橋 和眞牧野 英一岩橋 博見三浦 順之助安田 和基花房 俊昭小林 哲郎日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
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2013 年 56 巻 8 号 p. 590-597

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抄録

1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会において緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の診断基準を策定した.必須項目は,1)経過のどこかの時点でグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体もしくは膵島細胞抗体(ICA)が陽性であり,2)糖尿病の発症(もしくは診断)時,ケトーシスもしくはケトアシドーシスはなく,ただちには高血糖是正のためインスリン療法が必要とならない症例,とした.Insulinoma-associated antigen-2(IA-2)抗体,インスリン自己抗体(IAA),もしくは亜鉛輸送担体8(ZnT8)抗体の陽性所見はSPIDDMの診断根拠としての知見が不十分であり現段階では診断基準に含まれない,また本症にソフトドリンクケトーシスが合併する場合はケトーシス,ケトアシドーシスをひきおこすことが報告されている.SPIDDMは糖尿病の発症(もしくは診断)後3ヶ月を過ぎてからインスリン療法が必要となり,高頻度にインスリン依存状態となること,GAD抗体やICAは多くの例で経過とともに陰性化すること,またGAD抗体やICAの抗体価にかかわらずインスリン分泌能の低下が進行せず,10年以上たってもインスリン依存状態とならない例があること,さらに小児科領域と内科領域のいずれでも早期インスリン療法が行われることを参考項目に加えた.

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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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