2014 年 57 巻 1 号 p. 47-50
30歳,男性.既往歴;乾癬.2004年(24歳時),2型糖尿病を指摘され,2006年末より血糖コントロール不良のため他院でインスリン(ノボラピッド30mix®)を導入された.インスリン開始直後より皮下注後,注射部位に掻痒を伴う発赤・痒みを自覚していた.2007年当院転医後,症状及び抗ヒトインスリン特異的IgE抗体陽性よりインスリンアレルギーと診断.2010年12月アレルギー反応回避目的にGLP-1アナログリラグルチド導入,以後定期的にインスリンIgE抗体価を測定,経時的にIgE抗体価は低下した.4か月後本人より乾癬が悪化したのでインスリンに戻したいと訴えあり,インスリンリスプロを再開したが,IgE抗体価は再上昇した.2012年5月,本人が自主的にダイエットを開始,低血糖症状発症を機に自己判断で極端にインスリン減量,同時にアレルギー反応はほとんどなくなり,IgE抗体価は低下した.