2014 年 57 巻 6 号 p. 416-424
国民保険の特定健診でHbA1c5.9~6.8 %の者に75gOGTTを勧奨し,保健と医療の両面から介入するシステムを構築した.2010年度は5640名に勧奨し901名の結果が得られた.特定健診判定陽性(腹囲またはBMIが判定基準を満たす)者は39.3 %.正常型309名,正常境界型(正常型で負荷60分値が180 mg/dl以上)91名,境界型343名,糖尿病型158名であった.病型にはHbA1cと特定健診判定が強く寄与した.664名が翌年度の特定健診を受診し,52 %で医療または保健の介入を受けていた.HbA1c(6.11±0.22→6.04±0.29 %),BMI(23.3±3.2→23.0±3.5)は有意に低下し,医療での栄養指導と保健での個別指導はHbA1cまたはBMIの改善に有効であった.特定健診でハイリスク群に75gOGTTを施行し医療・保健の介入をすることは早期糖尿病対策として有用である.