糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
糖尿病医療学から見たSGLT2阻害薬:再確認できた療養における「きっかけ」と「かかわり」の重要性
山﨑 真裕肥後 直子兼子 照美長谷川 真智子久保 久仁子松本 しのぶ千丸 貴史牛込 恵美濱口 真英田中 武兵浅野 麻衣福井 道明中村 直登石井 均
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2015 年 58 巻 10 号 p. 745-752

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抄録

日本人2型糖尿病患者に対するdapagliflozinの効果,QOLへの影響を検討した.方法は当院通院中の2型糖尿病患者でdapagliflozin 5 mgの投与を開始された55例に対して,投与前と投与6か月後でのHbA1c,体重,DTR-QOL質問票によるQOLの比較,検討を行った.HbA1c(8.3±1.6 % vs. 7.7±1.4 %,P<0.0001),体重(78.7±18.4 kg vs. 76.0±18.4 kg,P<0.0001)とも有意な低下を認めた.DTR-QOLも総スコア,①社会活動/日常活動の負担,②治療への不安と負担,④治療満足度で有意な上昇を認めた.投与をきっかけに行動変容が起こり,行動強化により期待以上の効果が出た症例を経験したのであわせて報告する.糖尿病治療で重要な療養支援,Patient Centered Careの重要性を再確認できた.

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© 2015 一般社団法人 日本糖尿病学会
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