症例は40歳女性.20歳から高度肥満があり28歳時2型糖尿病と診断.挙児希望のため30歳からインスリン開始.メトホルミン2250 mg内服,インスリン量100単位/日(1.07 U/kg/日)使用下でHbA1c 9.8 %と高値であり血糖コントロール目的に第4回目の入院.入院後1440 kcalの食事療法と運動療法,入院3日目よりイプラグリフロジン50 mgを10日間投与した.退院時,BMIは38.7 kg/m2から36.3 kg/m2に,インスリン量は53単位/日(0.60 U/kg/日)になった.イプラグリフロジン投与前後の腹部脂肪面積は365.56から246.87 cm2,V/S比は0.88から0.66へ,体成分分析では体重減少のほぼ100 %が体脂肪量の減少であった.退院5ヶ月後には妊娠が許可されるまでに至ったので,代謝異常の改善状況をいくつかの指標とともに報告する.